2021年の年頭に思うこと
新年おめでとうございます。今年はDFにとって重要な一年となります。2020年は収穫が本格化し、2021年はその販路を拡大できるかどうか、これがDFの企業としての試金石となると思います。採算上、少なくとも1500本以上を販売することが求められます。さらに、ワイナリーの建設に向けて、今のところ未確定要素が山積していますが、動き始めることになると思います。非常に重要な決断と行動が求められる年でありますが、亡父の干支にあたる丑年のこの一年、楽しみながら、ゆっくりと確実に進みたいと思います。皆様のご愛顧、ご支援をお願いします。
(2021年1月1日記載)
DFの小さな醸造所の設立に向けて
ワインの生産が年間2000ℓ、3000本の醸造所を作ります。本当に小さな醸造所となります。醸造設備の費用もかかるので、最初はできるだけシンプルにワインを作ることになると思います。醸造所の設計は御代田のまどかさんにお願いしました。狭い土地にコンパクトに、また、機能的、合理的に作りたいと思いますが、どうでしょうか。今年の9月に無事完成しているでしょうか。また、別に醸造免許の取得という高いハードルもあります。これもどうなりますか。目立たぬように、はしゃがぬように、地道に自分のワインを求めていきたいと思います。
(2021年1月25日記載)
2020~2021の剪定と誘引の終了
昨日の2月9日16時の清水端の本剪定と誘引をもって、この冬の剪定誘引を終了しました。昨年は2月20日ごろでしたのでかなり早く終えた感じです。一部、粗皮剥ぎも同時に行いました。カイガラムシの卵を除去するためのものですが、特に日向山では多く白い綿状のもの、また、かけこばの6年生のシャルドネでは貝状のものが多く見られました。しかし、この時期の粗皮剥ぎは樹体にとって酷かもしれません。寒そうでした。これも初めて行ったもので、様子を見たいと思います。清水端では虫の侵入による枯死がかなりありそうです。とりあえず、これで一段落です。終えた達成感もありますが、剪定できない寂しさも感じています。それくらい、剪定は楽しみもある仕事でした。この後の仕事は例年通りですが、ワイナリーの建設に向けて、設備の選定など頭を悩ませています。お金とスペースがない中で、どう工夫するか、これが問題です。
(2021年2月10日記載)
補植とMVでの瓶詰の終了
補植が終わり、春の作業が一段落しました。今年の補植は、シャルドネ46本、ピノノワール10本、ソーヴィニヨンブラン29本で合計85本という多さでした。特にシャルドネは多く、ほとんどがコウモリガによる枯死(おそらく近くに大きな栗の木があることに関連していると思われる)、一部、凍害(こんとうがんしゅ病)と思われる被害でした。対策が必要ですが、水上りが始まった現在、今年はそれほどの数の多さではないと思われます。発芽が待たれます。3月中旬には2020ヴィンテージの瓶詰をマザーバインズ長野醸造所で行いました。井子シャルドネ760本、清水端ソーヴィニヨンブラン638本、ゲッタピノノワールが221本でした。これに4月下旬にテールドシエルさんで行う、樽仕込の井子シャルドネの瓶詰が280本程度、日向山ピノノワールが560本程度見込まれます。合計、2459本程度の生産となります。営業に力を入れる必要があります。井子シャルドネ2019については、軽井沢のレストラン、ホテルからの再注文や再々注文があり、いい兆候です。ワイナリーの建設に向けては、少しずつ動いています。書類の不備な点もまだあるのですが、醸造免許の一応の申請を3月19日に長野税務署の酒類審査官に提出しました。建設については、設備はほぼ決定し、建物の施工業者との交渉が大詰めとなっています。スエズ運河でのコンテナ船の座礁も解決し、ヨーロッパからの資材の搬入にも目途が立ちました。まだまだ、ハードルがいろいろ残っています。今年の秋、無事、開業できるでしょうか。
(2021年4月1日記載)
工事の本契約、蔵出しの開始
4月26日大安の日に、御代田のまどか設計事務所でようやく、施工業者さんとの工事の本契約が行われました。大量のお金が流れることになりました。今後が不安ですが、ここまで来たのですから進むしかないと考え、また、それが自分らしいと考えました。工事は連休明けから開始され、9月10日を目途に完成する運びとなりました。DFらしい建物になるといいのですが。それに先立つ4月19日、20日にはMV長野醸造所でラベル貼りと蔵出しをしました。2020ヴィンテージは1620本と本数も多く、シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、ピノノワールを計5回、菅平越えで軽トラで運ばなくてはなりません。ワインディングロードですが、新緑の菅平や須坂の桜並木などの風景もよく、決して嫌な道ではありません。それに、須坂温泉という楽しみも途中にあり、この仕事も今年で最後かと思うと少しく感慨も生じます。5月中旬まで続き、無事に運び終えるといいのですが。圃場は、昨年より5日ほど早く、PNとCHは4月25日、SBは26日に石灰硫黄合剤の手散布を行いました。その後、少し寒くなり発芽は未だの状態です。発芽直前をベストとする散布は少し早かったかもしれません。難しいものです。近所の農家さんの果樹園では4月28日には桃が満開になり、摘花の大忙しです。さらに、同じ28日ごろにはリンゴの開花も始まりました。例年より、1週間は早いとのことです。しかし、なんだかんだいいながら、結局、収穫の時期には帳尻が合うのかもしれません。地元の人の感覚では、降水量も雪の多い年は空梅雨になるというお話でした。自然のリズムはよくできているのかもしれません。問題はそれを人間が狂わせているということでしょう。閑話休題、生産本数も増え、これから販路を開拓する必要があります。東京を中心に、酒販店さんなどを巡る仕事が必要です。これも、楽しみながらやりたいと思います。
(2021年4月30日記載)
森の生活創作中(放棄桑畑公園化計画実施中)
連休中、圃場では萌芽が進行中ですが、タンポポが綿毛となり、あまり美しくはありません。その間、まだそれほど忙しくはないので、圃場の草刈りとともに、清水端の脇にある桑畑の放棄地の整理をしています。下草を刈り、野ばらを退治し、古い桑の木の新しい枝を剪定しています。さらに今秋には何本か間引く予定です。この桑畑の放棄地は、きれいに管理すればこれから暑くなってきたときに涼しい日陰を用意してくれるものと期待します。ここにテーブルと椅子を置き、お昼にはワインを用意してランチと休息をとるのもいいですね。ソローの森の生活の一部をここで体験できるのを楽しみにしています。
(2021年5月5日記載)
近況報告7月版
★ 今年も梅雨は雨が続き、路面が乾く暇がないほどです。このため、清水端の坂を消毒用機械のSS(Speed Sprayer)が登れるのか、いつ雨が止むのか、心配はつきません。その間、新梢は伸び、摘芯、誘引の遅れと雑草たちの成長の速さで、例年のように後手後手に回っておりますが、なんとか、体裁を保っています。雨のせいと思われますが、ソーヴィニヨンブランにかなりの花流れが見られますが、他はなんとか大丈夫のようです、今のところ。今後、どうなりますか。多忙ですが、大谷選手の活躍にエネルギーをもらっています。
★ 2020ヴィンテージ発売中.: DFの2021年のラインナップは、マザーバインズで作ったステンレスタンクのクリーンなワイン3種類、テールドシエルの醸造家桒原さんに作っていただいたヴァンナチュールの2種類、これに日向山ピノノワール2019を含めて6種類のワインを販売しています。詳しくは商品案内をご覧ください。
★ 醸造免許取得中: 現在、長野税務署の酒類審査官から、国税庁による審査中です。
★ ワイナリー建築中: 基礎工事が終わりました。広いような、狭いような。近々に棟上げが行われ、木工事が始まる予定です。だんだん、綺麗になってきました。
(2021年7月11日記載)
ワイナリー建設中
9月末の仕込に向けて、ワイナリーの建設が進んでいます。狭いようで広い、いややはり狭い。いろいろ不安や問題もありますが、設計士さんや職人さん、お世話になった皆様の思いを受け止めて、自分のワイン造りに励みたいと思います。圃場はようやく10日以上かかった清水端の誘引も終わりましたが、その間に伸びていた他の圃場の草刈りと摘芯、誘引です。休む暇はありません。ベトは先端に少しだけ発生しました。これからの雨が心配です。今年は、ソーヴィニヨンブランに花流れ、シャルドネ、ピノノワールにミルランダージュがかなり見られます。また、井出圃場のピノにはトリバの被害も見られます。収穫量はどうなるのでしょうか。心配はつきません。
(2021年8月13日記載)
ワイナリーの完成と自家醸造の開始
自宅と醸造所
後部からの風景
ワイナリーが完成し、10月から初めての自家醸造が始まりました。野生酵母による日向山ピノノワール、ゲッタピノノワール、MLFなしで作るソーヴィニヨンブラン、選抜酵母によるステンレスタンクのクリーンなシャルドネ、野生酵母による樽熟成のシャルドネの5種類が、現在、アルコール発酵を終え、MLFなど次の過程に入っています。今のところ順調ですが、この先、まだまだ課題が山積みです。美味しいワインになるでしょうか。期待と不安が交錯しています。
(2021年11月10日記載)
2021年の収穫の総括
2021年の収穫は、諸事情で遅くせざるを得ませんでした。醸造所はあり、タンクもあるのですが、容量検定に使用する流量計のためのポンプが、中部電力への切り替えが遅れたために動かず、検定が遅れる事態になったためです。本当になにがあるか分かりません。ということなどで、ソーヴィニヨンブランは10月2日と3日の午前中で、市役所の方々、さすらいのハーベスターの東御市Iさん、隣人のU氏などの助けを頂いて終了しました。時期が遅れたこと、開花期の雨で花流れがあったことなどで、45籠667.9㎏でした。昨年よりかなり少なかったです。
ピノノワールの収穫は10月8日9日で日向山、10日の仕込みを経て、11日12日で井出ピノノワールの収穫となりました。東京からの友人などのお手伝いを得て、なんとか終了しました。日向山が38籠444.9㎏、井出ピノが185㎏という少なさでした。ピノノワールが収穫が遅れたため、かなり、房が萎縮したり、病気にやられたものが多くなり、全房を捨てることもかなりありました。ワイナリーの建設に伴う雑事のため、栽培に専念できなかったことが原因と考えられます。来年に期待したいと思います。
シャルドネは10月14日15日、これも昨年より5日程度遅くなりました。隣人のU夫妻、東御市のT氏、小諸市平原の友人夫妻の助けを得て、なんとか終了しました。862.9㎏の収穫で、これも昨年を下回りました。
こうして収穫時期が遅かったために収量を合計2161㎏と減らすということもありました。課題の2000ℓの生産には届かないということになります。永久免許への切り替えの問題がありますが、シードルの生産や買い入れという方法もありますが、自社農園にこだわり、毎年、申請を出し続ける形で進めたいと思います。もちろん、収量の増加も目指しますが、しかし、早摘みで収量を増やせば、ワインの色や味わいに問題がおきると思います。ワインの品質を重視します。
いい点というのは、酸を残しながらも、糖度が昨年より上がったことです。果汁分析では、PNは糖度22.4度、酸が13.5g、CHは21.6度、酸が7.8g、SBは21.2度、酸が8.3gでした。かなり期待できる数字だと思います。後は醸造家の腕次第ですが、どうなりますか。期待と不安の入り混じった日々です。
仕込も一段落しました。近くにある菱野温泉で、湯治の機会も多くなりました。ここまでの疲労がなかなか抜けません。年齢を感じます。
(2021年11月18日記載)
MLFを待ちながら
昨年の今頃は東京で営業の真っ最中でした。今年はワインの管理のために、仕事は朝、時には夕方も、のワインのチェックが主で、仕事としては楽なのですが、初めての管理ともあってかなり神経を使っています。人間ができることは温度の管理と酸化の管理ぐらいです。後は乳酸菌にお任せです。時々、樽庫にはモーツアルトやバッハのクラシック音楽を流していますが、却って心地よくなり、乳酸菌が眠りについている感もあります。ストーンズなどのロック音楽をかける方がいいのかもしれません。ブルゴーニュなどでは春になってMLFが始まる例もあると聞きます。エアコンの温度管理でどの程度で始まるのでしょうか。
NHKのオンラインの記事で、北海道を飲むというのがありました。ブルゴーニュのワイナリーが函館に進出している話でしたが、その根拠になるのがブルゴーニュでの気温の上昇でした。生育期=4月~10月の平均気温が16℃を越えるとピノノワールは美味しく作れないということだそうです。そこで、DFの圃場のある糠地ではないのですが、標高が糠地より少し高い東御市新張のアメダスの記録では、2018年は16.6℃、2019年15.97℃、2020年15.8℃、2021年15.7℃となっています。体感とは異なり、年々低くなっているようですが、しかし、かなり限界に近いと思われます。温暖化でここが適地でなくなるのもそう遠くはないようです。
(2021年12月2日記載)