ブログ&ニュース2020


 2020年もよろしくお願いします。今年は3回目の収穫となり、栽培、醸造が本格化します。初めてのソーヴィニヨンブランのワインができる見込みです。楽しみです。栽培も、まだ、病気や虫害に十分に対処できていないので、さらなる考察と努力が必要です。美しい風景の中で、ぶどうに寄り添いながら栽培、醸造をしていきます。


2019~2020剪定誘引の終了

 2019年12月10日清水端圃場から始めていた剪定と誘引(ギュオダブル)が2月22日に日向山高野圃場を最後に約2400本全て終了しました。なぜか、誘引したい枝へのトラカミキリの幼虫の侵入も多く、さらに樹液の流れを意識した剪定の理論通りにはいかない場合も多く、苦労もありましたが、単純作業ではなく考えることも必要で楽しさもその中にありました。これで春の準備がほぼ終了です。

 これからの仕事は、ワイヤーのひげ取り、蔓取り、剪定枝の焼却、中柱や隅柱やワイヤーの補修などです。また、井出圃場の両側に空き地を利用して36m、30m程度の列を2列追加します。かけこば圃場の北側に短い5列を追加し、3月末に200本程度の定植を行います。下の写真は剪定後の日向山圃場です。5年生を中心とした圃場で雰囲気が出てきました。

 また、日向山の斜面には新しい圃場が二つ開かれます。この地がぶどう栽培の適地からでしょうか。三人の方が新しくブドウ栽培を始める予定です。風景がまた変わり、賑やかになります。動物の被害は分散するかもしれません。

(2020年2月23日記載)

 

 

2019Vintageの瓶詰終了

 2020年3月13日にMothervines 長野醸造所での瓶詰が全て終了しました。醸造所のスタッフ、お手伝いに参加していただいた皆さんに感謝します。2019Vintageは、シャルドネが507本、ピノノワール369本の瓶詰で2018より倍増しました。発売は、シャルドネが4月末の連休前、ピノノワールは検討中ですが、新酒の状態も美味しいので同時期に若干の販売、大多数は少し瓶内で熟成させてから、秋の発売を考えています。まだ、アルコール度数の最終検査をしていませんが、ピノ、シャルドネ共に、2018よりはしっかりしたボディのワインになっています。また、シャルドネはMLFを行ったので、2018とは香り、味わいともにかなり異なっています。楽しんで頂ければと思います。

(2020年3月15日記載)



2019Vitageの出荷(蔵出し)

 2020年4月17日、MV長野醸造所でラベル貼りを行い、ワインを受け取りました。この後、4月23日、24日と合計3回に分けて、軽トラで菅平越えで運びます。ラベルは今年からユポにしました。2018は耐水コットンで和の感じを出すにはよかったのですが、ワインの、特にピノノワールが垂れてラベルを汚すので変えてみました。ピノノワールの瓶もイエローグリーンからアンティークグリーンに変え、はっきりした色彩になりました。連休前には発売する予定です。シャルドネはフレッシュな味わいを楽しめると思います。ピノノワールは今は新酒(ヌーヴォー)の味わいで秋以降が飲み頃ですが、複数本を購入して、変化を楽しむのもいいと思います。

Sealerで、キャップシールをつけます。シルバーがいい感じです。 

 

エチケット貼りは手作業です。傾かないように、位置が同じになるように、裏ラベルが真裏に来るようにと、結構、神経使います。多少のずれは、手作りの証と考え、ご寛恕下さい。

     

(2020年4月18日記載)

 

5月初めの風景

2020年は暖冬で始まったのですが、4月の気温が低く、発芽はほぼ昨年と同様に5月7日ごろから始まりました。ピノノワール、シャルドネ、ソーヴィニヨンブランの順ですが、個体差があります。石灰硫黄合剤の散布は発芽直前がベストということで、収穫時と同様に神経を使いました。この時期、圃場はタンポポの嵐です。

 

 

 

2019Vintage発売中

 井子シャルドネ2019、日向山ピノノワール2019、日向山ピノノワール2018、発売中です。現在は、季節がら、シャルドネがお薦めです。香り、味わい、余韻もしっかりあり、飲めます。

 

(2020年5月10日記載)

 

5月19日の日向山圃場です。展葉5枚のものも現れ始めました。例年より、少し、遅い感じです。もうすぐ、芽掻きの仕事です。シャルドネの井子かけこば圃場では、30本以上の虫食い(コウモリガの幼虫の侵入)があり、発芽しないもの、遅れているものなどがあり、驚かされました。対策が必要です。

 

 

(2020年5月20日記載)

 

お久しぶりです。少し余裕ができました。収穫まであと一か月の神経戦です。

 9月に入り、ようやく気温も落ち着いてきました。摘芯や誘引も3回目まで終了しました。また、動物対策のネット張りも全圃場で一段落しました。これからはキャノピーの管理とともに、果房管理(動物による食害とその対策、病気の確認と病果取り)の仕事が続きます。9月は神経戦です。収穫まで気が休まるときがありません。5月から、6月、7月、8月とこれまでの長い間、ここに記す心の余裕がないくらい多忙でした。7月の雨の中での作業、8月の暑さの中での作業、1ha、2400本の圃場の管理は大変です。が、収穫とワインになった時の喜びのために世話を続けます。お手伝いに来て頂いた皆さんに感謝です。

 下の写真は2020年8月末の日向山圃場の風景です。遠景は御牧ケ原台地から美ヶ原高原です。7月の長雨にもかかわらず、今年はベトも比較的少なくてすみました。少し、防除の方法が分かったような感じです。しかし、その長雨のためか、花流れ、花ぶるいが生じた木も何本かあります。開花のタイミングで強い雨に打たれるとそうした結実不良が起きるといいます。7月の長雨と日照不足も8月の高温と日照(224.8時間)でだいぶ追い付いてきました。8月の降水量は65.0㎜、最高気温の平均が30.2℃、最低気温の平均が18.7℃で、この地では珍しい高温でした。人間の活動で温暖化は悪循環に入り、高温化は不可避な状況です。この地が適地なのも短い期間かもしれません。

 

 下の写真は2020年8月末のかけこば圃場のシャルドネと日向山圃場のピノノワールです。シャルドネはいい感じですが、このまま収穫を迎えられるとは限りません。2019年はトリバの被害、灰カビ、晩腐などでかなり減少しました。ピノのヴェレゾンの進行にもかなり差が目立ちます。昨年のような果房萎縮が起きなければいいのですが。ブドウはワインになりたがっています。無事、美味しいワインになれるように見守ります。

 

 

 収穫は9月末から10月上旬ですが、今年は特にソーヴィニヨンブラン(3年目の初収穫)が早いかもしれません。もう既に果実は甘くなり、食害も見られます。9月25日を予定していますが、糖度、酸、pHを計測しながら、食べてみて、種子の色を見て決定します。

(2020年9月2日記載)

 

2020年収穫

 9月27日のソーヴィニヨンブランから2020年の収穫が始まりました。3年目の木ですが、実りがよく、820㎏の収穫がありました。小諸市役所からボランティアで収穫のお手伝いをしていただきました。感謝です。また、小諸ワイングロワーズクラブの指導者の桜井さんにも参加していただきました。ほぼ1日で収穫は終了し、翌日朝、マザーバインズ長野醸造所へ搬入し、2時間のスキンコンタクトの後、プレスしました。Brix20.8、酸は6.2g/ℓと低めでしたが、すっきりしたワインには適していると思います。PHは3.39といい数字で、亜硫酸の量も少なくて済みました。補糖、補酸なしで作ります。かなりチオールの柑橘系の香りが強い感じですが、MLFを終えてどんなワインになるのか楽しみです。

 

収穫かごのソーヴィニヨンブランです。46籠820㎏の収穫でした。

 

脚で踏んで半分ほど破砕し、スキンコンタクト中のソーヴィニヨンブランです。

 

 これから、ピノノワール、シャルドネの収穫です。収穫前の最終除葉を行いました。シャルドネの実りもいいですが、今年は天気予報もいいので完熟を目指すため、時間を置きます。若干の晩腐と灰カビが出ていますが、なんとか引っ張ります。今年しかできないかもしれないことと、糖度を上げてどういうワインができるのかを試したいと思います。

 

 

(2020年10月6日記載)

 

ピノノワールの収穫と仕込み

 台風14号の接近と秋雨前線の活動で大雨が降り、ピノノワールとシャルドネの収穫には大問題となりました。特に井出圃場のピノは雨の中の収穫となり、病果取りには大変な状況となりました。しかし、日向山のピノは病果も少なく、7月の長雨による花ぶるい、花流れの影響もあったのですが、大収穫で、実りの秋を実感できる状況でした。ただ、日向山の一部に当たる高野圃場は風の抜けが悪いためか、病果も多く、例年の晩腐に加え、灰カビが多かったのが今年の特徴です。対策が必要です。井出圃場のピノ250㎏程度と合計して887㎏の大収穫となりました。今年は日向山の630㎏はテールドシエルの桒原さんの醸造で、井出圃場のピノノワールはマザーバインズに搬入しました。収穫、手除梗、病果取りと、東京、川崎からお手伝いに来ていただいた皆さんには大感謝です。井出圃場のピノは4年目ですが、土が痩せていることもあり、今年が初収穫です。糖度は20.5度、酸は7.4g、PHは3.5と高く、病果も多かったため、ライトなピノノワールになる予定です。土壌が黒ボク系で粘土の日向山とは異なる味わい、香りが期待されますがどうでしょうか。これも補糖、補酸なしで作ります。

下の写真は委託醸造先のテールドシエルさんでの日向山ピノノワールの手除梗の様子です。300㎏を二人で4時間程度かかります。梗を入れないように、傷つけて梗の成分が入らないようにします。初めての体験で勉強になりました。

 

(2020年10月10日記載)

 

ソーヴィニヨンブラン発酵中

アルコール発酵終了間際のソーヴィニヨンブランです。比重も1を切ってきました。今後はマロラクティック発酵が中心となります。順調にいってくれるといいのですが。当初、サンセール風のソーヴィニヨンブランを目指していましたが、チオールの柑橘系の香りがしっかりとあり、ニューワールド風になりそうです。理想は理想として、圃場のブドウに寄り添って作っていきたいと思います。ご期待下さい。

 

2020年収穫終了

10月12日のシャルドネの収穫をもって、今年の収穫を全て終了しました。13日に900㎏をマザーバインズ長野醸造所に搬入、除梗破砕、2時間のスキンコンタクトの後、プレスしました。ソーヴィニヨンブランが823㎏、ピノノワールが887㎏、シャルドネが1230㎏の収穫で、合計2940㎏の、2019年に比べてほぼ3倍増の大収穫でした。多くの木が5年目を迎えて本格化した感じです。シャルドネは、台風と秋雨前線の影響による80ミリ程度の降雨があり、糖度は引っ張ったにも関わらず20.9度で昨年よりも低い収穫となりました。酸は7.6g/ℓと8月の高温にもかかわらずしっかり残っていて、PHも3.39で、今年も、補糖補酸なしで作れることになりました。2019ヴィンテージに比べ、やや軽い感じかもしれませんが、美味しいワインになると思います。来年は除葉の工夫をしてさらに成熟したシャルドネを目指したいと思います。といっても天気次第ですが。収穫をお手伝い頂いた皆様に改めて感謝したいと思います。これからは12月から始まる剪定誘引まで、圃場の整備と施肥を行います。

糠地区のリンゴ農家のYさんからお借りした1トン車で菅平越えてマザーバインズに搬送しました。54籠、900㎏でした。1籠平均16.6㎏です。中には20㎏を超えるものもあり、除梗破砕機に入れる際にかなり重く、苦労がありました。しかし、収量が多くて籠が不足し、そうせざるを得ませんでした。

 

収穫後のシャルドネ圃場。木々も軽くなり、楽そうです。これから木々も冬の準備です。

 

(2020年10月16日記載)

 

野生酵母発酵中@テールドシエル

ピノノワールはアルコール発酵が始まりました。発酵の様子は臭いで確認します。

 

シャルドネもようやく発酵が始まりました。茶色や白い泡も問題ないようです。むしろ、果汁のきれいさが発酵を遅らせていたようです。

 

(2020年10月21日記載)

 

初めてのレストラン

DFのワインとして初めてレストラン(中軽井沢の名店)と取引することができました。グラスワインとしてリストアップされています。これが最初の一歩です。自分のブドウやワインの考え方や感覚を信じて美味しいワインを作り、地道に販路を拡大してきたいと思います。

 

(2020年10月27日記載)

 

2021販売用セレクトチャート

2020ヴィンテージはピノノワール、シャルドネが2種類ずつ、それにソーヴィニヨンブランが加わり、全部で5種類のワインが出来る予定です。さらに2019ヴィンテージもあり、合計7種類のワインの選択が可能となります。そこで、弊社取締役がセレクトチャートを作ってみました。来年の商品紹介欄に掲載する予定ですが、予め、ここにも掲載します。どんなものでしょうか。

 

(2020年10月29日記載)

 

ラベルの原案作成

2020Vintage表ラベルの原案ができました。5種類のラベルです。原案ですので若干の変更がありえますが、ワインの完成が待ち遠しいです。

 

 

初めての樽

テールドシエルさんにおいてですが、DFのワインとしてこの秋、初めて樽で仕込みました。なんとこの古樽はDRCも使用しているメーカーの樽ということです。入っているのは井子シャルドネですが・・・。このほか、日向山ピノノワールも二樽、仕込みました。赤白ともにどんなワインになるのか、楽しみです。

 

(2020年11月3日記載)

 

千曲川ワインバレーの会

10月30日から11月3日までの4日間、軽井沢プリンスホテルウエストの大宴会場「長野」で会が催されました。大盛況というわけではなかったですが、逆に個別にお客さんとゆっくりと話ができて楽しく、有意義でした。今年はコロナ騒ぎで小諸ワインデイのような催しがなく、DFのような小さな作り手にはありがたい機会でした。ご尽力を頂いた小諸市役所、プリンスホテルなどの関係者に感謝です。また、軽井沢の集客力の大きさ、重要性などいろいろ学ぶことも多かったです。

 

 

落葉進む

11月9日のかけこば圃場です。昨年より早く落葉が進んでいます。土壌が豊かで成長のいい木は落葉が遅く、痩せた土地の木は早い感じです。収穫後の葉も冬を越すための栄養を貯める仕事をしています。しっかり、落葉することが必要です。落葉も一つの成長、進歩です。遠景は浅間連山で、右端に近い、白い煙を出しているのが、浅間山(正確には前掛山)です。

 

(2020年11月13日記載)

 

販拡営業中

11月は販路拡大に向けて、軽井沢、東京で営業、行商中です。「シャルドネ~いらんかね~♪、美味しい、美味しいシャルドネだよ」15日は13日の東京・木場に続いて、東京・駒込にあるパリのビストロ風のシプレさんでランチ兼営業でした。写真は前菜のカワハギのカルパッチョ、焼き鯖とかぼちゃとなすのテリーヌで、赤胡椒の刺激も美味しく、DFのシャルドネとの相性もばっちりでした。もう少し、かつての言葉でいうミネラル感、コクがあってもと思っていたのですが、ソムリエからはこのスタイルの方が和食を含めて合う料理の幅が広くなっていいのではということでした。参考になります。

 

(2020年11月16日記載)

 

東京での営業2020

12月4日の営業をもって東京でのレストラン、ビストロ、ワインバー、ワインカフェ巡りを終えました。ワインを持って、新宿、麻布、八丁堀、小石川、代沢、中野、三軒茶屋、神楽坂、代々木八幡、目黒、神泉、浅草など全部で15店にお邪魔しました。お店の雰囲気もわかり、オーナーともお話ができ、客層、経営の様子、ワインの趣向などいろいろ学ぶことも多かったです。井子シャルドネ2019の評価はまずまずというか、かなり高評価を頂くことが多かったですが、そこから、価格の面などで取引まで行くことがなかなか難しかったです。DFのワインの立ち位置がだいぶ分かりました。また、間に入る酒販店さんとの取引を含めてワインビジネスの状況がある程度理解できました。ということで非常に有意義な営業というか行商でした。二日にわたってお世話になったMVのN氏には特に感謝です。また、2020ヴィンテージが美味しくなると思うので、それを引っ提げて行商します。

(2020年12月5日記載)

 

2020年圃場終い

12月10日から始めた粗剪定と一部誘引が、27日のかけこば圃場のシャルドネを最後に無事終了しました。新年を迎える準備ができた感じです。各圃場で1年の感謝の気持ちを捧げ、来年への挨拶を行いました。2020年は、収量が約3トンと本格化したこと、軽井沢や東京での営業を行い、DFのワインが市場にデビューしたことなどが大きな出来事でした。井子シャルドネ2019の出来は軽井沢のホテルからも注文が入るなど、素晴らしく、現在でも満足のいくもので、これがDFを救い、未来を示してくれたといってもいいと思います。また、日向山ピノノワールは、瓶内熟成すれば、かなり雑味も少なくなってくることもわかり、まだまだですが、楽しみもあります。さらに、ワイナリー作りに向かって進もうとしていますが、醸造技術、費用面など、かなりハードルは高いです。年末、年始を使って、熟慮したいと思います。11月に左肩を痛め、1か月ほど、不自由でした。収穫籠の上げ下げなどの結果、肩の腱を痛めたようで、年齢を感じました。年相応に、タンザニアのカヘンベさんから教わったポレポレの姿勢でブドウづくり、ワイン作りをしていきたいと思います。1年間、ご購入いただいた方々、圃場や醸造所でボランティアでお手伝いいただいた皆様に、改めて感謝をしたいと思います。2021年も実り多い年にしていきたいと思います。よろしくお願いします。

 

(2020年12月28日記載)